ルービッククロックの紹介

ルービッククロックとは

ルービッククロック(Rubik’s Clock)とは、WCA公式競技のひとつにして、公式競技の中で最もマイナーと言っていい競技です。
公式大会に出たことがある人でも見たこともないという人も多いと思うので、まずは、どんなパズルなのか動画を見てください(2012年に私が撮影した動画です)。

4つのボタンと、4つのダイヤルを駆使して、裏表9つずつある針を、すべて同じ方向(時計で言う12時の方向)に揃えれば完成となるパズルです。
見ての通り、見た目もパズルの内容も、通常のルービックキューブとは全く違う、というか全く関係のない別物のパズルです(なぜこれが公式競技に入っているのかは永遠の謎)。

次に、2014年11月に千葉県松戸市で行われたアジア大会で更新された、YunHo Namさんの世界記録の動画をどうぞ。

この世界記録が出る前の記録が平均6.61秒ですので、6.00秒というのはそれはもう圧倒的世界記録です(ちなみに日本記録は、2010年に佐島優さんがだした7.53秒)。

ルービッククロックの難点

ルービッククロックは、日本では、というか世界的に見ても、本当に人気のない競技です。それには色々な理由があります。

1. 他のパズルとあまりに違いすぎる

ルービッククロックは他のWCA公式競技と比べて、あまりに違いすぎます。もう何もかも違います。そもそも立体パズルと呼んでいいのかも怪しいですし、もっといえばWikipediaを見れば分かる通りエルノー・ルービック氏の発明品でさえありません。

2. パズルとしての面白味に欠ける

表裏の針が同時に動くので、一見難しそうに見えますが、実はパズルとしては非常に簡単な部類に入ります。間違いなく、公式競技のパズルの中で最も簡単なパズルです。それ故に解法としても工夫できる部分は少なく、パズル競技者にとっては物足りないと感じる人も多いと思います。

3. 競技者とジャッジ以外何をしているのか分からない

これが、おそらくルービッククロック最大の難点です。世界記録の動画を見て気付いた人も多いでしょう。「針の向きを揃える」という地味すぎる内容ゆえに、前方から見ている観客からすると何をしているのかさっぱり分かりません。揃っている過程も分からないですし、最終的に完成したのかどうかさえ分かりません。

4. そもそもパズルを入手するのが難しい

ルービッククロックの競技者がなかなか増えない理由です。ルービック社が出している純正の「ルービッククロック」は、実はすでに生産中止となっており、倉庫在庫やオークション以外で入手することは現状できません。その代替品として「魔表」というものが発売されていますが、権利的にかなりグレーなため、日本国内で正当な手段で入手することはできず、海外の通販サイトから個人輸入する必要があります。

ルービッククロックの利点

悪いところばかりではなく、ルービッククロックのいいところをあげてみましょう。

1. 競技者が少ないので、上位に入りやすい

日本国内でRubik’s Cube(3x3x3)の記録を持っているのが1000人弱いるのに対し、ルービッククロックは50人ほどしかいないというマイナー競技っぷりです。
ルービッククロックをメインでやっているという人は、現状日本ではほぼ皆無です。
そのため、競技をはじめて数ヶ月でも、十分入賞を狙えるラインまで行くことが可能です。

2. ルービックキューブが早くなくてもできる

ルービッククロックは、ルービックキューブと全く関係のないパズルです。だいたいの公式競技は、基礎力としてどうしても3x3x3の早さというのが必要になってくる場合が多いですが、ルービッククロックに関して言えばルービックキューブが解ける必要さえ全くありません(そんな人がこの競技をやるとは思えませんが)。

3. 年齢関係なく始められる

ルービックキューブの早さというのは、やはりどうしても年とともに衰えてきます。30代、40代になってから始めても、なかなか若い高校生大学生に勝つのは難しいものです。ルービッククロックは、30代40代からでも、十分に世界トップレベルを狙える競技です。

4. 意外と一般ウケはいい

競技者には評判の悪いパズルですが、その分かりやすさ故に、意外と一般の方にはウケます。少し頭のいい人であれば、数十分いじっていたら完成できた、なんていうこともあると思います。

どうでしょう、少しでもルービッククロックに興味を持っていただけたでしょうか。