Old Pochmann method(corner)

基本

コーナーのOld Pochmann法の基本は、PLLのY-Permの手順になります。

Y-Permは、下図のような交換をするPLLです。

F R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R F'

Old Pochmannでの基本手順は、このY-Permから最初のFと最後のF'を省略したものになります。

R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R

Old Pochmannでは、ULB(上左奥)をバッファ(基準)として、RDF(右下手前)との交換を繰り返していきます。その際、UBとULの2つのエッジも交換されますが、気にしません。(偶数回で終わればキャンセルされ、奇数回で終わるときはパリティ)

することは、
セットアップ → Old Pochmann手順(Y-Permの変形)→逆セットアップ
だけです。ひたすらこれを繰り返していきます。

注意事項としては、セットアップの際には、F、R、Dの回転しか使ってはいけません。U、L、Bの回転をしてしまうと、バッファ(ULB)と常に入れ替わる2つのエッジ(UB、UL)の位置が変わってしまうので、当然のことです。

セットアップのパターンは全部で20ありますが、すべてを丸暗記する必要はありません。どの場所からでも、2手以内でセットアップできます。

例1 : スクランブル D F' U2 F D' F' U2 F

(画像はU面を黄色、F面を赤としてスクランブルしています)

1回目 : ULB → RDFに移動します。これはOld Pochmannの基本系なので、そのまま手順をします。

R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R

このとき、エッジのUBとULも交換されています。

2回目 : ULB → FLDに移動します。FLDは、DをすることでRDFにセットアップすることができます。

セットアップ → Old Pochmann手順 → 逆セットアップ

D (R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R) D'

1回目で交換されていたUBとULが再度交換され、もとに戻ります。

例2 : スクランブル R' F2 R B' R' F2 R B

1回目 : ULB → RUBに移動します。セットアップ : R2

R2 (R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R) R2

2回目 : ULB → LDFに移動します。セットアップ : D2 R

D2 R (R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R) R' D2

途中でループが途切れる(バッファであるULBにそのブロックが来てしまう)場合は、一度どこか適当なまだ揃っていないコーナーに移動して、再度ループを作ります(このあたりの考えはM2法と同じです)。

発展

上ではY-Permを基本としましたが、UBとULのエッジが交換され、ULBとどこかのコーナーが交換されるものであれば、Y-Permに限らず使うことができます。それは、J-Permです。

Y-Perm
J.a-Perm
J.b-Perm

基本形では、RDFにセットアップしてY-Permの変形手順をしましたが、URB、ULFにそれぞれセットアップして、下記の手順をすることでも同じことができます。

R' U L' U2 R U' R' U2 L R U'
U2 R U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U

例3 : スクランブル B D' R2 D L D' R2 D L' B'

1回目 : ULB → FURに移動します。基本に従ってRDFにセットアップするにはR2 D'ですが、RでURBにセットアップして、J.a-Permでも処理できます。

セットアップ → J.a-Perm → 逆セットアップ

R (R' U L' U2 R U' R' U2 L R U') R'

2回目 : ULB → LDFに移動します。基本に従ってRDFにセットアップするにはD2 Rですが、FでULFにセットアップして、J.b-Permでも処理できます。

セットアップ → J.b-Perm → 逆セットアップ

F (U2 R U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R' U) F'

M2 + Old Pochmann

エッジをM2法で、コーナーをOld Pochmann法で解く場合、パリティ処理を非常に簡単にすることができます。先にM2法でエッジを解き、パリティになった場合(奇数回目で処理が終わってしまった場合)、下記のような状態になります。(コーナーは無視してください)

M2+COCPの場合、ここでU2 M' U2 M'をして、DFとDBの交換を残したりしますが、Old Pochmannと組み合わせる場合には、UBとULの交換を残すようにしてやれば、その後の奇数回のOld Pochmannで打ち消すことができます。その手順は、

D' L2 D M2 D' L2 D

です。

これは、DF → UB → ULのCommutatorの、最後のM2をしない状態です(この説明についてはよく分からなくても構いません)。こうすることで、M2で残るパリティを解消しつつ、UBとULの交換を残すことができます。

あとは奇数回のOld Pochmannをすることで、パリティを意識せず解くことができます。